誰のChangeだったのか 2017 1 15
書名 トランプ登場は日本の大チャンス
著者 日高 義樹 PHP
オバマ氏は、アメリカ国民に「Change」を呼び掛けて、
大統領に当選したが、
結局、「Change」したのは、オバマ氏本人だった。
そういう声を複数の評論家から聞きます。
確かに、オバマ氏は、経済では、グローバリズムを推進し、
外交では、ロシアに対しては、ライオンのごとく吠え、
中国に対しては、「借りてきた猫」のように、おとなしかったのです。
こうした「ライオンと猫」の外交は、冷戦思考そのものです。
冷戦時代、ソ連という巨大国家に立ち向かうには、
中国を味方に引き入れる必要がありました。
だからこそ、「ライオンと猫」の外交は、有効な手段だったのです。
しかしながら、ソ連が崩壊し、中国が急速に台頭してくる時代に、
こうした「ライオンと猫」の外交を推進したら、どうなるか。
これは、誰が考えても、すぐにわかることでしょう。
オバマ氏は、中国で金儲けをしたいと考える勢力に取り込まれてしまったのではないのか。
一方、グローバリズムにおいては、
「経済に国境がない」と言われます。
しかしながら、エリートや大企業には、
確かに、経済に国境がないようなものだったでしょうが、
庶民にとっては、そう簡単に国境を超えることができなかった。
つまり、庶民には、グローバリズムの恩恵は少なかったと言えるでしょう。
そこで、トランプ氏は、アメリカ国民に「Change」を呼び掛けて、
大統領に当選しました。
つまり、トランプ氏の主張は、
経済では、「反グローバリズム」を掲げ、
外交では、親ロシア・反中国となっています。
さて、日本人は、こうした急激な変化が苦手なので、
トランプ氏には、不安感を抱いていますが、
ピンチの時は、チャンスでもあるのです。
日本は、時代の変化をとらえて、チャンスとすることができるのか。
植民地経営 2016 1 14
植民地というと、19世紀から20世紀に行われた、
列強国による領土獲得合戦を連想しますが、
植民地経営のポイントは、安い労働力の獲得だったと考えています。
そうすると、現代においても似たようなことが行われています。
資本家が、いや大企業が、メキシコや中国を実質的な植民地として、
安い労働力を獲得していく様子が、
かつての植民地経営を連想させます。
さて、もう20年近く前になるかもしれません。
あの当時、知人と、こんな議論をしたことがあります。
アメリカの国内工場を閉鎖して、メキシコに工場を建設する。
そうすると、人件費が削減できて、利益が増えて、株価上昇。
そして、CEOは、膨大な報酬を得る。
はたして、これで、よいのだろうか。
アメリカ国内の労働者は、どうなるのか。
知人と、このような議論をしたのは、
もう、20年前になります。
アメリカの政治家は、こうした問題を20年間も放置しておいて、
今頃になって、トランプ氏が、この問題を取り上げています。
アメリカと私では、「時差」が20年もあるのか。
なんだか、タイムトラベルで20年前に行った気分です。
このように、時計の針で計る時間は同じでも、
全員が同じ時代を生きているとは限らないのです。
過去も未来も、同じ空間に共存しているのです。
(参考)
上記のように、海外に安い労働力を求めるという手法もありますが、
難民を大量に受け入れて、安い労働力として使用するという方法もあります。